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ミャンマー初の
女子大学創設を目指して

MSM国際女学院について

朝には鶏の鳴き声が響き渡り、昼には田畑で農作業をする人々が笑い、夜には無数の蛍が飛び交う…そんな日本の懐かしい原風景のような場所に、MSM国際女学院はあります。ヤンゴン国際空港から北におよそ1時間の郊外に位置し、約1.4万坪(東京ドーム1個分)の広さがあり、大学のキャンパスにはうってつけ。現在は、1年間で日本語能力試験N3合格を目指し、日本の文化・ビジネスマナーを教育する、最大80名が学べる全寮制の職業訓練校として、田舎から出てきた女性たちが仲間と集団生活をしながら過ごしています。実は、ヤンゴン市内ではなく、郊外に学校があるのには、大きな理由があったのです。

土屋会長と
MSM国際女学院ができるまで

MSMグループ会長の土屋昭義は静岡県浜松市出身の起業家で、27歳の誕生日に電話一本で建設業の企画設計会社を興し、その後10以上の業種で成功しました。そのままでも十分ハッピーリタイア生活を送れましたが、「富士山の景色は見たから、今度はエベレストに挑戦したい」というどうしようもない性格が災い(?)して、2012年2月にミャンマーに初めて足を踏み入れました。時は、アウンサンスーチー氏率いるNLDが選挙で圧勝を遂げ、世界の注目を浴び、異常なくらいの熱気と活気。そんな注目とは裏腹に、長年の間愚民化政策で高等教育が荒廃していたミャンマーには何をするにも教育が必要であることを感じた土屋は、「ミャンマーでは母系家族が多く、母親の影響を強く受けて子どもは成長している。そこで母になる女性の教育に力を入れることがミャンマーで国際社会に対応できる人材育成となり、ミャンマーの発展に寄与できる」と考え、ヤンゴン市内の一等地で日本語学校(ヤンゴン学院)を始めました。ところが、少し経つと、なんとなく日本語を勉強するお金持ちの子女たちに交じって、田舎からサンダルひとつでヤンゴンに出て、狭いアパートを借りて生活費を稼ぎながら学費を捻出し勉強しに来る子は、金銭的に成り立たず半年たたずに辞めてしまうことが分かったのです。そこで、何とか這い上がりたい気持ちのある子にこそ教育の必要性を感じ、田舎の子たちがリタイアせずに勉強に打ち込める環境を作るためにMSM国際女学院を立ち上げたのです。

目指していること

MSM国際女学院は、将来的に専門学校、女子大学へとステップアップを目指していますが、現在は、ヤンゴン学院とMSM国際女学院では日本の技能実習制度と特定技能制度を利用しています。また、これらの学校で教育を受けた生徒たちはMSMグループが運営する送出機関Jump Myanmar Japan Co., Ltd.を通じて日本へ送り出し、株式会社おしんドリームでは日本の企業と生徒の橋渡し役と日本滞在時のサポートを行い、困り事がないように日本-ミャンマーでのワンストップ展開をしています。そして、一般社団法人ミャンマー教育支援フォーラムでは寺子屋への教育、文化、音楽、スポーツ支援も行っています。その他にも、日本-ミャンマーという舞台、MSM国際女学院という広大な敷地の学校、そして「教育」をキーワードに、例えばこんなプロジェクトに取り組んでいます。

①MSM国際女学院での学科・学部の創設
日本の民間会社を集結し、業界の特性を生かした学科・学部を創設し、ソーシャルビジネスとして人材育成に貢献する

②日本や海外の学生のインターンシップ受入れや社会人の国際貢献体験の場を提供する

③広大な敷地を利用して、農作物等の加工工場を作り、女子学生たちが授業外に働いて田舎の実家への仕送りや、日本へ行く費用の一部として稼げるようにする

日本も人材不足で悩み、日本国内だけで完結することは難しく、ミャンマーの教育と人材育成に貢献することで、日本もそのおこぼれを頂戴するという謙虚な気持ちです。最終的には、「ミャンマーで教育を行うのは、自国民であるミャンマー人が最適」と考えています。

参加型プロジェクト

ミャンマー初の女子大学創設を目標に掲げ、これまでにない新しい学校の在り方を探り、様々なプロジェクトを実行するには、それぞれの分野のプロが集結しないと実現しません。時間もかかります。これまで、MSMグループでは、MSM国際女学院の校長・エイミーを始め、インドのバンガロールで起業していた土屋の次男である土屋玄洋もサポートに入り、日本の大学の学長や理事長が顧問に就くなど、何人もの協力者が現れました。これも、「ミャンマー初の女子大学を作る」という壮大な目標だからこそです。1人や一代で完結するプロジェクトではなく、多くの人がバトンを引き継ぐことで成し得るものと思っています。日本とミャンマーの若者のパワーを集め、年長者はこれまでの経験と知恵を授ける。そんな方針の下、今、私たちの理念や想いに共鳴し、一緒に物語を作り上げてくださる方を求めています。 (文・佐藤 華子)